三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

海外旅行と健康管理

 海外旅行中の行動は、せっかく旅行に来たのだから目いっぱい楽しもうと、ハードスケジュールになりやすいものです。さらに、気候、時差、食事のちがいなどから、体調をくずしやすくなります。海外旅行中に健康を害することになれば、厄介な問題を抱え込むことになります。海外旅行を楽しむためには、旅行中の健康管理が重要な課題となります。

(1)渡航前の準備

・海外での再発が心配な持病がある場合は、医師に薬を処方してもらうとともに、英文の病歴書や診断書を作ってもらい、持参しましょう。

・医薬分業という医療システムの違いから、海外では簡単に薬を薬局で購入できません。胃薬や風邪薬などの常備薬を持参して下さい。また、発展途上国へ旅行する場合は、下痢止めを持参しましょう。

・旅行先国の気候を十分に調べ、体調を崩すことがないよう、適切な衣類を準備しましょう。

(2)航空機の中での注意

・機内ではできるだけリラックスして、疲れを取るように心がけましょう。

・気圧が低いために酔いが早く回ります。アルコールは、控えめにしましょう。

・機内での食事は、日本の時間に無関係に出されます。食べ過ぎないように注意しましょう。

・長時間のフライトにおいては血液循環に問題が生じる場合(通称:エコノミークラス症候群)があり、座席等級を問わず適度に機内を歩くようにしましょう。

(3)旅行地での注意

・食事もアルコールも取る量が多くなりがちです。節制に努めましょう。

・時差、気候の相違、異なる食事、ハードスケジュールなど、海外旅行中には体調を崩す要因となるものがたくさんあります。疲労をためないよう、睡眠時間は十分とるように心がけましょう。

・水はミネラルウォーターを飲んで下さい。水道の水が直接飲める地域であっても、海外では生水を飲まないようにしましょう。

・衛生状態の悪い地域では、A型肝炎や伝染病への羅病を予防するため、氷や、生野菜、魚介類等の生ものを食べないようにしましょう。ウイスキーに入れる氷にも注意が必要です。

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後期高齢者の運転免許証

 75歳以上の人が運転免許証を更新する場合には、免許更新の申請前に「高齢者講習」の受講と「認知機能検査」の受検とが必要となっています。

 高齢者講習の内容は、「安全運転に関する講義」と「運転適性検査」と「実車指導」となります。

 認知機能検査の内容は、「今日の年月日、曜日、時間」を書く問題と、「白紙に時計の文字盤を書いて、そこに指示された時間の時と分の針を描く」問題と、「16個の動物や楽器や野菜などのイラストを4分程度見て覚えておき、用紙を伏せて1分程経ってから何が書かれてあったか思い出して別の用紙に書きだす」という問題があります。

 最近認知検査を受けた知人からテキストを借りて問題を解いてみたら、「年月日」と「時計」を書くのは簡単でしたが、16個のイラストを思い出して書くのは意外と難しくて5、6個ぐらいしか書けませんでした。検査の結果、「認知症の恐れあり」に該当した場合には、医師の診断を受け、診断書の提出が必要になります。

 診断書提出の結果、「認知症」であることが判明した時は、免許証の返納又は取消処分を受けることになります。

 以前、高齢者大学の英会話教室で、各自3分程度で「自由なテーマ」について英語でスピーチしなさいという授業があったので、私は「免許証の返納」というテーマで原稿を作ってスピーチをしたことがありました。

Whether or not to return my drive license

Now, I live in Osaka city and Mie prefecture half by half.

The main reason is that I like living in the city, but my wife likes living in the countryside.

Now I don’t have a car in Osaka city and I don’t drive a car.

On the other hand, in Mie prefecture I have a car at my home parking lot, and ride a car every day.

The reason is that in Osaka there is no need for a car for everyday life, but in Mie it is difficult to everyday life without a car.

For example, in Osaka within 1km or less than 15-minute walk from my home, there are many supermarkets, convenience stores, hospitals and a library, JR and subway stations, and trains run about every 5 minutes.

 However, in Mie there is only 1 convenience store and 1 JR station within 1 km from my home, but the train comes only once or twice an hour.

In Mie there are supermarkets, hospitals, a library, and Kintetsu station 2km away from my house, but it takes about 30 minutes on foot to get there.

As to whether or not to return my drive license in the future,

If I live in a big city, I will like to return my license in the late 70’s.

However, if I live in the country, I think that my license will not be returned until died.

 

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定期昇給について

 日本では、ほとんどの会社が毎年4月に賃上げ(賃下げの場合もあるので、正確には賃金改定)を行いますが、新聞記事などを見ると、いつも賃上げの定義が曖昧なために、賃上げ要求額が同じでも、例えば今年の労働組合の賃上げ要求は5,000円になりましたというように賃上げをベアの意味で報道している場合と、10,000円になりましたというように定昇とベアを含んだ意味で報道している場合とがあります。

 基本的にいえば、賃上げというのは定期昇給(定昇)とベースアップ(ベア)という二つの部分から構成されています。

 定昇とは、従業員の能力や貢献度が毎年上がるという考えに基づいて賃金表を作成しておき、個人別にその賃金表に基づき賃金を上昇させることをいいます。ただし、一定年齢から下がる場合や査定により下がる場合もあります。

 定昇の対象となる昇給には、年齢給や勤続給のような自動昇給、人事考課の査定が反映される職能給や役割給のような査定昇給、昇格の際に昇給する昇格昇給、役職登用や上位役職への昇進の際に昇給する昇進昇給などがあります。

 最近では、賃金体系を年功主義的なものから能力主義成果主義的なものへ変えるため、定昇制度を見直したり廃止したりする企業が増えていますが、定昇制度を廃止した企業でも例えば初任給20万円で入社して定年までずっと20万円ということは考えられないため、実際には賃金体系を変えて自動昇給を廃止しただけで、その他の定昇は実施しているのだと思われます。

 ベアとは、その賃金表の金額を修正して賃金を上昇させることです。定昇と異なり、賃金表そのものを変えて昇給させることです。

 定昇は、賃金表に基づいて昇給させるものですから、従業員個人の給与は上がっても、企業全体の人件費は変わりません。

 例えば、ある会社に20歳から59歳まで従業員が一人ずつ計40名いて、20歳の給料が20万円、21歳の給料が20万5千円、以下1歳ごとに5千円ずつ上がり、59歳の給料が39万5千円だったとします。新年度に、20歳の社員が新しく入社して、60歳になった社員が定年で退職したとして、定昇を実施すれば20歳の新入社員の給料は前年と同じ20万円、前年20歳で今年21歳になった社員の給料は5千円上がって20万5千円に、以下同様に5千円ずつ上がって58歳から59歳になった社員の給料は39万円から39万5千円に上がっていますが、会社全体の人件費は前年と同じで、20歳の20万円から59歳の39万5千円までの計40名となります。

 ベアは、賃金表を修正して昇給するものですから、企業全体の人件費もその分上昇します。

 例えば、前記の例で賃上げが6千円(ベアが千円・定昇が5千円)だとすれば、新年度の20歳の給料は20万1千円、21歳の給料は20万6千円、59歳の給料は39万6千円となり、会社全体の人件費は千円×40名分で、前年より月4万円増えることになります。

 ただし、上記の例は定昇の考え方を分かりやすくするために単純化したもので、実際には年齢別の人員も違い、平均の定昇額が5千円だとしても7千円上がる人も3千円しか上がらない人もいて、ずっと複雑ですが、賃上げの定昇とベアに関する基本的な考え方は同じだと思います。

 

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先進医療について

 先進医療とは、がんの免疫療法など開発途上ではあるが一般の保険診療で認められる医療の水準を超えた最先端の医療技術に対し、厚生労働省が特に将来性があると判断したものについて、混合診療保険診療保険外診療を併用すること)を認める制度です。

一般的な治療であれば、健康保険の適用を受けられるので、治療費の一部(3割~1割)を自己負担すればよいのですが、最先端の治療費は健康保険が適用されないので、全額自己負担しなければなりません。

 最先端の治療技術のうち「先進医療」と認められていない診療を受ける場合には、保険適用が可能な一般的な診療との混合診療扱いが認められていないため、一般的な診療の治療費も含めて費用は全額自己負担となります。

 例えば、本来なら健康保険の適用を受けられる一般の医療費(診察・検査・投薬・入院料等)が50万円で、先端医療にかかる費用が50万円かかったとすれば、合計100万円を自己負担しなければならず、健康保険の高額療養費の対象にもなりません。ただし、税金の医療費控除は受けることができます。

 最先端の治療技術のうち「先進医療」と認められている場合には、保険適用が可能な部分との混合診療が認められ、先進医療にかかる費用は全額自己負担ですが、一般的な治療にかかる費用については保険が適用され、一部を自己負担すればよくなります。

 例えば、一般の医療費が50万円で、先進医療にかかる費用が50万円かかったとすれば、先進医療にかかる費用50万円は自己負担となりますが、一般の医療費50万円については、一部(3割負担の場合は15万円)を自己負担すればよくなります。

 自己負担の15万円については、健康保険の高額療養費制度が適用され、さらに、自己負担の15万円から高額療養費で還付された金額を控除した額と、先進医療にかかった50万円については、税金の医療費控除を受けることができます。

 厚生労働省が先進医療と指定している医療技術は現在82種類ありますが、数万円で治療を受けられるものから、数百万円かかるものまであります。

 先進医療は主に、全国の大学病院や国立のがんセンターなどで実施されており、がん、心臓病、特殊な代謝疾患、特殊な間接疾患などが多いようです。

 高額な治療費がかかるものとして、がんに対する重粒子線治療、悪性腫瘍に対する粒子線治療、エキシマレーザー冠動脈形成術、活性化自己リンパ球移入療法、インプラント義歯などがあります。

 先進医療は公的な健康保険が適用されず全額個人負担となるので、民間の生命保険会社等が医療保険のオプションとして、先進医療特約を付加するケースが増えています。先進医療保障に関する保険料は、ほとんどの医療保険で年齢に関係なく1月当たり100円程度になっていますが、先進医療保障単独では加入できません。

 

 

 

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育ての心理学

  叱る育て方と褒める育て方

 上司や、先輩といった、リーダシップの立場になると、部下や、後輩などを、育てるという仕事がでてくると思います。

 それは、上司や、先輩といった立場的なものから、“育てる”ということをする場合もあると思いますし、部下や、後輩のことを思っての、親心的なことから、“育てる”ということをする場合もあると思います。

 どちらにしても、人を育てるということは、大変な労力がいることだと思います。

 上司や、先輩といった立場だけでなく、子供をお持ちの親御さんも、子供を“育てる”というお仕事をお持ちになりますね。

 リーダシップの立場もしくは、親の立場になると、“育てる”という作業がでてくるわけですから、一生のうちに誰かを育てるプロセスを経験する方は、多いと思います。

 人を育てる立場になると、“叱って育てる”“褒めて育てる”という言葉を聞くことがあると思います。

 この2つの育て方を心理的な見方で、見ていきたいと思います。

  •  叱って育てる

 叱って育てるやり方は、心理的にみると、恐れという感情を使った育て方という見方ができます。

 私たちは、怒られることは嫌ですので、怒られない為にきっちりしようとします。

 きっちりすることの動機が、怒られることの恐れだったりすると、恐れが動機で行動を正そうとすることになります。

 恐れが動機で、行動を正そうとした場合、行動に緊張感が伴いますので、瞬発力があります。

 しかし、緊張状態は、そう長く続かないので、逆に持久力が続かないのです。

 例えば、大事な書類に不備があり、社長から「明日までに、この書類をしあげなければ君はクビだ!」と言われれば、クビがかかっていますから、徹夜をしてでも仕上げようと思いますよね。

 想像してみてもらいたいのですが、その時の緊張感、集中力、瞬発力って凄いと思いません?

 そして、なんとか書類を仕上げることができたとします。ホッとできますよね。

 でも、ホッとしてしまうと、あの時の緊張感、集中力、瞬発力って、どっかに吹っ飛んでいく気がしませんか?

 そうなんです、瞬発力はあるのですが、持久力は続かないんです。

 まるで、恐い先生に睨まれてる時は、怒られないように、まじめに勉強するんですが、先生がいない自習の時は、その開放感から、隣の友達とお喋りをして、自習どころでは無くなってしまう感じのように、緊張感は解きはなたれてしまうのです。

 叱って育てる方やり方は、言った事の効果に関して、即効性がありますが、持続効果が望みにくくなるのが特徴です。

  •  褒めて育てる

 褒めて育てるやり方は、恐れを使うのではなく、その人の価値を見つけてあげる育て方です。

 価値を見つけてもらえる、認められる、期待されることで、認めてくれる喜びで頑張る力がわいたり、期待に答えようと頑張ったりします。

 こちらのやり方は、恐れを使っていないので、お尻に火がつくことはなく、瞬発力はありません。

 瞬発力がありませんので、すぐに行動を正そうという行為に移りにくいということはありますが、その代わり、こんどは持久力があります。

 緊張状態というものが付きまとわないので、瞬発力がなく、ゆっくりとした成長の仕方ですが、恐れに追いかけられて、なにかをしようとするのではなく、誰かに教えてもらったことや(教育)、自らの経験を通して、学び、そして、それをすることを選択して成長していくので、持続力(継続力)があります。

 その為、一度行動を正そうとしたら、その行動は継続していくことが多いのです。

 先ほどの例えを使うと、書類の不備があった時に、社長に「今回は書類のミスがあったけど、頑張り屋の君のことだから、このようなミスは無くしていけると信じてるよ。頑張ってくれたまえ」と言われたとします。

 そうすると、叱られた時のような、緊張感、集中力、瞬発力は、無いかもしれませんが、期待に答えようと、その人なりのペースで頑張ると思いませんか?

 恐れから追われていることはないので、社長の期待に答えようと自らが選択した時、その頑張る力は継続しやすくなります。

 アメリカの心理学者ローゼンタールらがある実験をしました。

 まず、小学生に普通の知能テストをさせ、その結果を担任の教師に、これから学力が伸びる可能性のある子の名前を教えました。

 しかし、そこで教えられた数人の生徒は知能テストの成績に関係なく、ランダムに選ばれた子でした。1年ほどした後で、再び知能テストをしたところ、名前をあげられた子は、そうでない子に比べて成績が上がっていました。

 このように、期待することによって、相手もその期待にこたえるようになる、という現象をピグマリオン効果とよんでいます。

 このような効果が起こる理由として、ローゼンタールは、人は常に相手の期待に対し最も敏感に反応するから、と説明しています。

 皆さんの経験上、人は期待されると、その期待に答えようとする感覚は、なんとなくお分かりになると思います。

 人は、認められる、褒められる、期待される、と嬉しくなりますね。

 逆に、否定される、怒られる、期待されない、というのは嫌気がさします。

 これだけを見ても、モチベーションの出方の違いはなんとなくわかると思います。

 

 

 

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労働時間制度について

 日本で最初に労働時間に関する規定ができたのは、大正時代の1916年に施行された工場法です。

 工場法は、従業員15人以上の工場に適用され、規制の対象者は15歳未満の年少者と女性のみで、1日の労働時間(工場法では休憩時間を含む拘束時間のことです)は12時間以内、1ヶ月の休日は2日以上とし、午後10時から午前4時までの深夜業は禁止しました。

 その後、1923年に一部改正されて、適用年齢は15歳未満から16歳未満へ引き上げられ、1日の労働時間は1時間短縮されて11時間以内となります。

 工場法の労働時間は、労働者の健康確保が目的ですから、時間外労働や休日労働は認めていません。

 戦後、1947年に労働基準法が制定されて、工場法は廃止されています。

 工場法が年少者と女性のみを対象としていたのに対して、労基法は成年男子を含むすべての労働者を対象にしています。(ただし、管理監督者などには労基法の労働時間の規定は適用されません。)

 労基法の制定時には、1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は48時間以内、1週間に休日は1日以上、18歳未満の年少者と女性は午後10時から午前5時までの深夜業は禁止となっていました。その後、男女雇用機会均等法の趣旨から労基法の女性保護規定が廃止されることになり、女性の深夜業の規制は廃止されます。

 労基法は、工場法とは異なり、労使協定(36協定)を定めることにより、法定労働時間を越えて時間外労働や休日労働をさせることを認めています。当初、女性については1日2時間、1週6時間、1年150時間という時間外労働の上限と休日労働の禁止を定めていましたが、その後、男女平等の趣旨からこの規制は廃止されます。

 1987年に労基法の労働時間に関する規定が改正され、1週間の労働時間を48時間から40時間へと数年かけて段階的に短縮していくこととされました。

 現在の法定労働時間は、原則として、1日8時間以内、1週間40時間以内、休日は1週間に1日以上(または4週間に4日以上)となっています。

 ここで「原則として」というのは、労基法で、変形労働時間制という変則的な労働時間が定められているからです。

 変形労働時間制とは、1ヶ月あるいは1年の一定の期間を平均して1週間の労働時間が40時間を越えていなければ、特定の日に8時間を越えて、あるいは特定の週に40時間を越えて労働させることができるというものです。

 労基法では、時間外労働については25%以上の割増賃金、休日(週1日の法定休日)労働については35%以上の割増賃金を支払うことになっていましたが、その後一部改正されて、時間外労働のうち、1ヶ月60時間を越える部分は50%以上の割増賃金、36協定の限度時間(1ヶ月45時間、年間360時間など)を越える部分は「25%以上で労使協定で定めた割増率」の割増賃金を支払うこととなりました。

 その改正で少し複雑なのは、労基法では、週休2日制の会社の場合、そのうち1日は法定休日であり、その日に労働した場合は休日労働、他の1日は法定外休日であり、その日に労働した場合は休日労働ではなく、その日を含めて1週間の労働時間が40時間を越えた場合には時間外労働となるので、法定休日の労働の場合は35%の割増率で割増賃金を支払えば問題ないのですが、法定外休日の労働の場合には、平日の時間外労働と合計して60時間を越えていれば越えた時間については35%ではなく50%、45時間を越えていれば超えた時間については労使協定で定めた率の割増賃金を支払わないと労基法違反になるということです。

 

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企業倫理とコンプライアンスについて

 企業倫理とコンプライアンスについてはいろいろな解釈がありますが、コンプライアンスとは法律や規則を守って行動すること、企業倫理とは強制ではなく自発的に責任ある公正な行動をすること、と理解すれば分かりやすいと思います。

 法律や規則で禁止されていることや義務とされていることは、当然のことですが、なんとしても違反しないように行動しなければなりません。上司の指示がどうのとか、費用がいくらかかるとかいうことで左右されてはなりません。法律や規則ということでは、民法や商法をはじめ独占禁止法不正競争防止法、労働法、消費者保護法など多数あり、また監督官庁の命令・指導、会社の就業規則・社内ルールなどもあります。

 これに対して企業倫理は自発的な行動ですから、コンプライアンスのように最初から決まった答えはありません。会社は利益を上げることが目的だから法律さえ守っていれば充分ではないかという意見があります。しかし、法律は社会の要求や期待をすべて満たすものではありません。例えば、会社の製品に安全上の問題のあることが分かったが、その事実を公表することが法律で義務付けられていないとします。もし、その事実を公表すれば、一時的に売り上げは落ちるかも分かりません。そういう状況の中で自発的にどこまで事実を公表して危険の回避に努めるべきか、企業倫理の問題はまさに経営の姿勢の良し悪しが問われる場面です。そうした際に、法令違反ではないと言い訳をすると、不誠実な会社との印象を与えて、社会から信頼を失いかねません。

 企業倫理とコンプライアンスとは、一概にどちらが大切かとはいえないのですが、高い理想を掲げても法律のレベルを守れなければ社会から相手にされないのですから、まずはコンプライアンスを確立することが優先だと思います。

 

コンプライアンス違反が起きやすい企業の環境および体質

・ 金儲け主義(消費者軽視で利益最優先)

・ 秘密主義(隠蔽体質、閉鎖的な体質)

・ 上層部が絶対的な権力を持っている。

・ 自己中心的な幹部、社員、職員が多い。

・ 不祥事を起こした該当者に対する処分が甘い(信賞必罰の精神がない)。

・ 精神論に終始したり、当該個人にのみ責任を追及し、組織的・構造的な問題の解決に取り組まない。

・ 不祥事を告発した該当者に対して隠蔽のために処分を行う。

(告発した社員を閑職に追いやる、など)

 

 

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