国連の女子差別撤廃委員会が2016年に日本に対し「皇位を継げるのは男系男子のみ」として女性天皇を認めない皇室典範を女性への差別だとして問題視し、見直しを求めようとしたのですが、日本政府がこれに抗議したため撤回されました。
2024年10月に、同委員会から改めて皇位継承における男女平等を保障するために他国の例も参考にしながら皇室典範を改正するよう勧告が出されています。
ヨーロッパの王位継承の主流は、性別を問わず第一子に継承権を与える「長子優先の男女平等制」です。
日本政府は皇室典範の改正を勧告されたことに抗議して、「トランプ流」に国連女子差別撤廃委員会への拠出金を停止しました。
現在の皇室典範では「皇位は、皇統に属する男系の男子がこれを承継する」と定められています。
日本政府は「我が国の皇室制度は歴史や伝統が背景にあり、皇位継承のあり方は女子に対する差別を目的としていない」と主張していますが、やはりこれは今の日本政府の女性差別主義精神の表れだろうと思います。
なぜなら、わが国にはこれまで8人の女性天皇がいたのに、歴史や伝統を背景に女性の天皇を禁止する理由は何ら存在しないと思われるからです。
歴代の女性天皇8人のうち、6人は6世紀末の飛鳥時代から8世紀後半の奈良時代に即位しており、2人は江戸時代に即位しています。
女性天皇の存在はその時代の女性の地位の高さを表しているようです。
飛鳥時代と奈良時代には天皇のうち約半数が女性天皇だったのですが、この時代には天皇家や豪族においては女性も男性と同等に親の財産を相続しており、女性の財産は結婚しても夫の財産とはならず、妻独自の財産として所有され続けていたようです。
したがって、皇位継承の権利も男性・女性とも等しく有していたようです。
平安時代以降に長く女性天皇が即位しなかった理由は、その後女性の地位が次第に低下していったことにあるのだろうと思います。
江戸時代は儒教や封建制度の関係で、日本の女性の地位が最も低下した時代だったと思うのですが、それでも女性天皇が2人も存在しているのですから、21世紀の男女平等であるはずの日本社会で女性天皇を認めないというのは、多分、日本相撲協会が土俵を女人禁制としているのと同様に、時代錯誤の女性差別主義者の考え方なのだろうと思います。
