三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

中国の給与規定

以前、日本の子会社の中国現地法人用に作成した給与規定をサンプル用に修正したものです。

 

○○○○有限公司 給与規定

(サンプル)

第1章 総 則

第1条(目的)

 この規定は、就業規則第○○条に基づき、従業員の給与に関する事項を規定する。

第2条(適用範囲)

 この規定の適用を受ける従業員は一般従業員とし、試用期間中の従業員、及び短期雇用従業員についてはこれを準用する。

第2章 賃金の種類

第3条(基本給)

 基本給は、業務に対する能力、職責、経験などを勘案して決定した額を支給する。

第4条(諸手当)

 次の各号に定める手当を支給する。

(1)役職手当

   役付者に対し、会社が別途定めた金額を支給する。

(2)資格手当

   会社が職務遂行能力を勘案して決定した資格について、別途定めた金額を支給する。

(3)皆勤手当

   会社が別途定めた金額を支給する。

(4)食事手当

   会社が別途定めた金額を支給する。

(5)時間外勤務手当

   時間外勤務手当は、会社の命令により就業時間を超えて勤務した場合に、次の基準で支給する。

  ①30分を単位として計算する。

  ②算出基準は次のとおりとする。

    基準給÷1ヶ月平均所定労働時間数×時間外勤務時間数×1.5

  ③時間外勤務を他の時間で調整する場合、割増分の支給を行う。

(6)休日出勤手当

   休日出勤手当は、会社の命令により就業規則で定めた休日に勤務した場合に次の基準で支給する。

   ①30分を単位として計算する。

   ②算出基準は次のとおりとする。

  会社規定の休日  

    基準給÷1ヶ月平均所定労働時間数×休日勤務時間数×2.0

  法定の祝際日   

    基準給÷1ヶ月平均所定労働時間数×休日勤務時間数×3.0

   ③休日勤務を他の時間で調整する場合、割増分の支給を行う。

(7)通勤手当

   交通機関を利用する通勤者には、会社が別途定めた限度内で通勤費の実費を支給する。

(8)暖房費手当

   会社が別途定めた金額を支給する。 

第3章 賃金計算及び方法

第5条(賃金の計算)

  (1)賃金は月額の金額とする。

  (2)従業員が賃金計算期間の中途において入社または退職した場合は、1日単位で計算する。

  (3)賃金計算上の1角未満の端数が生じた場合は、最終計算で1角に切り上げる。

第6条(賃金締切日)

  賃金は、毎月○日より起算し、○日に締め切る。

第7条(支給日)

  賃金は毎月○日に支給する。支給日が休日の場合はその前日に支給する。

第8条(賃金の支給方法)

  賃金は、原則として人民元にて従業員に直接あるいは銀行振込により支払う。

第9条(死亡・退職・解雇時の支払い)

 従業員が死亡し退職または解雇されたときは、会社が要求した所定の手続きを終了した日から10日以内に賃金を支払う。

第10条(控除)

  次に掲げるものは賃金から控除する。

  (1)法で定められた従業員の負担すべき税金、社会保険料等。

  (2)会社が特に定めたもの。

第11条(減額規定)

 1.従業員が次の各号の一に該当する場合は、その期間の賃金を支払わない。

   ①就業規則第○○条により入場制限を受けている場合

   ②就業規則第○○条による出勤停止処分を受けている場合

   ③会社の指示によらない就業時間

   ④正当な理由によらない欠勤、遅刻、早退

 2.やむを得ない欠勤、遅刻、早退については、その期間の基本給の○○%を減額する。

第4章 人事考課

第12条(基準給の改定)

  原則として、毎年○月に別途定める考課基準により職務遂行能力と業績を査定し、○月度から基本給を改定する。

第13条(報奨金及び罰金)

  別途定める報奨金制度に基づき、成績により従業員に対して報奨金を支給し,又は罰金を科す。

第5章 賞 与

第14条(賞与)

  会社は、会社の業績により、春節休暇前に従業員に賞与を支給することがある。

第6章 付 則

第15条(本規定の施行)

  本規定は○○○○年○月○日より施行する。

 

 

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海外勤務者の役員報酬に対する課税について

 以前、大阪の本町で海外勤務者に関するセミナーの講師をしていた時に、女性の受講者の方から日本の会社の役員が海外の子会社で勤務をした場合の税金の取扱(役員の特例と外国税額控除など)について質問を頂きました。

 講義が終わって、その方が挨拶に来られたので名刺交換をしたのですが、彼女の名刺を見ると岡山県の会社の総務課長で、資格は弁護士と書かれていました。わざわざ講義を受けるために岡山県から来られたということと、弁護士の資格を持っているのに会社に勤めているということに、少し驚きました。

 

 一般的なことを言えば、海外勤務者の給料や賞与などに関する所得については国外で支給されても国内で支給されても、全て国外の勤務地国で課税されることになり、国内では非課税となります。

ただし、役員に関しては次のような特例があります。

1.役員の特例

内国法人の役員としての勤務は、一般使用人の場合とは異なり、内国法人が支払う役員報酬や役員賞与はすべて国内源泉所得に該当することになり、20.42%の源泉徴収の対象としなければならない。

2.役員の特例の例外

 取締役兼ニューヨーク支店長のように、内国法人の役員であるとともに同時にその内国法人の使用人として常時勤務しているような者の給料・賞与については、一般使用人と同様に、国内勤務に基因するものだけが、我が国においては課税対象となる。

3.現地法人の役員の特例

 内国法人の役員が別会社(現地法人)の役員として勤務する場合には、特例の例外は適用されないが、次の要件に該当する場合には適用される。

・ 現地子会社の実態が、内国法人の支店等と異ならないものであること。

・ その役員の現地子会社における勤務が内国法人の命令に基づくものであり、実体的にはその内国法人の使用人としての勤務であると認められること。

 

また、日本と海外とで二重課税が発生した場合には、居住地国で申告をしてその外国税額のうち一定額を居住地国の所得税から差し引くことができるという外国税額控除という制度があります。

 日本の居住者は国内の所得と国外の所得とが二重課税になれば確定申告でこの外国税額控除を受けることができるのですが、海外での居住者がこの外国税額控除を受けられるかどうかは国により異なります。

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空き家の固定資産税

 四国にある私のふるさとの家は、私が生まれた時よりもずっと前に建てられた家のようで、私が子供の時にはすでに古い家のように感じていたので、多分80年以上前に建てられた物だろうと思います。

 この家は、最後に1人で住んでいた母親が20ほど前に亡くなってからはずっと空き家になっており、空き家になってからも5年間ほどはふるさとへ帰るたびに部屋の掃除をしたり布団を干したりして泊まっていたのですが、だんだんと帰省時もホテルなどに泊まるようになったので、私たちはもうこの家の掃除も風通しもしていません。

ただし、私は4人兄弟だったのと、兄が家の管理をしてくれているので、他の兄弟がこの家をどうしているのかは知りません。

 最近2年間はコロナのため帰省していないのですが、2年前に家へ寄ってみた時には、管理しやすいように庭の木はすべて切られてすっきりしていました。庭の雑草は刈り取りを依頼してもすぐに伸びてしまうので仕方ないのですが、なぜか木の塀が一部(5mほど)壊れていました。

 古い家を取り壊して更地にしてしまえばすっきりするのですが、更地にすると土地の固定資産税が3倍から6倍になってしまうという問題があるようです。我が家の近所にも、同じような空き家がたくさんあるのですが、多分そのような問題もあるのでどこも古い家を壊さずに残しているようです。

 多分どの空き家も同じような状況で、建物は古くて償却が済んでおり固定資産の評価額が極端に低いのでほとんど固定資産税はかからないのですが、四国の田舎でも宅地の評価額は意外と高くて1㎡あたり2万円ぐらいのところが多いようです。

 土地の固定資産税は、評価額の1.4%ですが、そこに住宅(空き家でも)が立っている場合には、200㎡以下の部分は6分の1に、200㎡を超える部分は3分の1に評価額が軽減されるという特例があります。

 ふるさとの我が家や近隣の空き家はほとんど農家又は兼業農家でしたから、庭で農作業の準備や畑を作れるように敷地の面積はかなり広くて500㎡ぐらいあります。

 

 例えば、土地が500㎡あって、評価額が1㎡あたり2万円だとした場合、そこに空き家が立っていれば、土地の評価額は、200㎡×2万円×6分の1+300㎡×2万円×3分の1=約267万円となります。

 固定資産税は、267万円×1.4%=37,300円となります。

 

 その空き家を取り壊して更地にした場合、土地の評価額が軽減されるという特例が適用されなくなりますから、土地の評価額は、500㎡×2万円=1000万円となります。

 固定資産税は、1000万円×1.4%=14万円となります。

空き家を取り壊すと、毎年支払う空き家の固定資産税が10万円ほど高くなります。

 

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       ふるさとの我が家

 

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離婚時の年金分割について

平成19年4月から離婚時の年金分割制度が施行されています。

「離婚したら、夫の年金の半分がもらえる」と勘違いしている人がいるようですので、制度の概要を簡単に説明します。

 

離婚分割制度

 平成19年4月1日以降に離婚が成立した場合、夫(又は妻)の厚生年金の一部を、妻(又は夫)のものとすることができます。分割の仕組みは次のとおりです。

 

 ① 対象となる年金: 厚生年金の報酬比例部分

 ② 対象期間: 平成19年3月以前の分も含め、結婚から離婚までの婚姻期間

 ③ 分割割合: 2分の1を上限として協議により決める

 ④ 条件: 夫婦の合意、又は家庭裁判所の決定が必要

 ① 分割の対象となるのは、厚生年金の内の報酬比例部分だけで、定額部分(基礎年金)は対象外です。

 ② 分割される年金は婚姻期間分だけです。

例えば、夫が20歳で厚生年金に加入し30歳で結婚、60歳で定年退職し、その後、定年を機に熟年離婚をした場合、分割の対象期間は、結婚後の30年分で、独身時代の10年分は分割の対象にはなりません。

又、夫が65歳で妻が55歳の場合、夫が65歳からもらえる年金を分割されたので、妻はすぐに年金をもらえると思いがちですが、そうではありません。妻は自分自身の年金を受け取れる年齢になるまで、分割された年金はもらえません。もし、妻が年金に必要な10年の加入期間がないなど、自分自身に年金の受給権がなかったら、いつまでたっても分割された年金はもらえません。減額された夫の年金はどちらにも支給されない(国に没収)ことになってしまいます。

 ③ 分割割合は2分の1ではなく、2分の1以内で合意した割合です。

   婚姻期間中に妻も厚生年金に加入していた期間がある場合には、妻自身にも厚生年金の報酬比例部分がありますので、分割される年金は夫の報酬比例部分との差額の2分の1以内となります。妻の方が収入が多ければ、逆に夫に分割しなければならない可能性もあります。

 

 離婚をしても、現実に分割される年金は期待するほど多くはないようです。

 例えば上記②の例で、夫自身の年金は定額部分(基礎年金)が6.5万円、報酬比例部分が11.5万円で合計18万円、妻はずっと専業主婦で基礎年金が5万円だとした場合に、分割されるのは夫の報酬比例部分である40年分の11.5万円の内30年分で、かつ、その内の2分の1以内ですので、最大の2分の1の分割を受けても4万円程度(11.5万円×3/4÷2≒4万円)で、結果、夫の年金は4万円減額されて14万円、妻の年金は4万円加算されて9万円というような計算になります。

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フランスの恋愛事情

 フランスにおける恋愛の基本形は、宮廷文化から始まっているようです。「結婚は一度きり、離婚は認めない。」とするキリスト教(中でも特に厳格なカトリック派)の倫理の影響もあって、その代わりにこの時代の「恋愛」は自由であり、この文化をリードしたのが貴族女性であったようです。

 宮廷において、恋愛は日常茶飯事であり公認されていました。この宮廷文化をリードしていたのが、既婚の貴婦人たちです。彼女たちは地方の領地に夫を残して、宮廷近くに住み、夫以外の貴族男性と恋に落ちました。

 この恋愛がフランスにおける恋愛観の原型です。それは、「不倫」であり、結婚とは相入れないものでした。当時の結婚といえば、封建制の下で家と財産を継承するための取り決めであり、自分で自由に決められることではなかったのです。

 1970年代に、女性の自由を獲得するためのウーマンリブ運動がフランス各地で起こり、それ以降、「結婚は一生に一度きりである」という考えよりも、愛も性も本来自由なものであり、愛が冷めれば別れるのは当然なことで、愛し合っていないふたりがいっしょに暮らし続けるのはむしろモラルに反する、というような考えに変わってきているようです。

 「本当にこの人と結婚してうまくいくのか、いくら考えてもわかるはずがないから、まず、一緒に暮らしてみる」という発想から、共同生活が始まるようです。それがうまくいけば出産、それをきっかけに結婚という運びになり、現在では、共同生活をせずに結婚する夫婦の割合は4割程度しかいないそうです。

 現在のフランスにおける新生児の約50%は法的に結婚していないカップルの子どもになります。

 また、フランスでは、現在、夫婦の3組に1組以上(パリでは2組に1組ぐらい)が離婚しています。

 自由婚カップルには、日本の“内縁”のイメージはなく、お互いの自由の尊重の上に愛し合っているので一緒に暮らしているというかたちなので、これは個人の問題なのです。つまり、男性も女性も、それぞれ個人として尊重するのが恋愛の基本なのです。また、自由婚カップルが日本の「同棲」と異なるのは、法的には結婚とほぼ変わりない権利が与えられている点です。例えば、自由婚カップルであっても被扶養者ならば婚姻の配偶者と同じように、相手の疾病・出産保険の適用が受けられ、家族給付も認められています。また、両親の婚姻関係の有無によって子供が差別を受けることはなくなっているのです。

 かつての絶対的な法であった結婚制度は少なくなり、お互いの意思を尊重しての自由婚カップル形態が生まれ続けています。

 

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生活保護について

 憲法第25条に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されており、生活保護制度は、憲法のこの理念に基づいて、生活に困窮している国民に対して、最低生活の保障とともに自立の助長を図るという制度です。

 

生活保護を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

1) 生活保護保有を認められる資産以外の資産は処分して生活費に充てる。

2) 働くことが可能な方は、能力に応じて働く。

3) 親族等から援助を受けられる場合は援助を受ける。

 以上の要件を満たした上で、世帯の収入が生活保護基準で定める額に満たない場合に、生活保護が適用されるということになります。

 生活保護制度から受けられる給付として、必要に応じて生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、出産扶助、介護扶助、生業扶助、葬祭扶助という8種類の費用扶助があります。

 費用扶助の基準になるのは、住んでいる市町村です。全国の市町村を6つのグループに分類し、物価差などを反映してそれぞれの基準額を設定しています。

 

 生活扶助は、収入が生活扶助基準より低い場合に、生活扶助基準から収入を差し引いた差額が支給されます。生活扶助基準の額は、地域や年齢や世帯の人員により異なります。

 生活扶助基準には、生活扶助基準第1類(飲食費や被服費)と、生活扶助基準第2類(光熱費や家具費など)と、生活扶助の加算(障害者加算や母子家庭加算など)があります。

 

生活扶助基準の具体例(1級地-1の場合)

1) 60歳の単身世帯

    36,100(生活扶助基準第1類)+43,430(生活扶助基準第2類)=79,530円

2) 夫40歳、妻35歳、子供10歳の3人世帯

    40,270(第1類の夫分)+40,270(第1類の妻分)+34,070(第1類の子供分)+53,290(第2類の3人分)+13,000(児童養育加算)=180,900円

 

・ 教育扶助は、義務教育を受けるのに必要な扶助で、原則として金銭で支給されます。

・ 住宅扶助は、アパート等の家賃補助のことで、地域や世帯の人員により基準額が異なりますが、定められた範囲内で実費を支給されます。

・ 医療扶助と介護扶助は、医療費や介護費が直接医療機関等へ支払われ、本人負担はなくなります。

・ 出産扶助は出産費用で、定額内で実費が支給されます。

・ 生業扶助は自立に必要な教育費や訓練費で、定額内で実費が支給されます。

・ 葬祭扶助は葬祭費用で、定額内で実費が支給されます。

 

※ 最低賃金、老齢年金との比較例

・ 時間給800円で1日8時間、1ヶ月20日勤務した場合の給与月額=800×8×20=128,000円

・ 老齢基礎年金(国民年金)の平均年金月額=約6万円

・ 厚生年金の平均年金月額=約17万円

 

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二次相続について

相続税

一次相続と二次相続

 一定額以上の財産を所有している人が亡くなると、その配偶者(妻の場合が多いようです)や子の相続に対して相続税が課税されます。

 この1回目の相続のことを一次相続といいます。

 数年後にその配偶者が亡くなったとします。今度は配偶者の所有する財産を相続する子に対して相続税が課税されることになります。

 この2回目の相続のことを二次相続といいます。

 相続税は一次と二次の合計で少なくしたいところです。

 一次相続では配偶者軽減控除が使えるので、配偶者が多く相続した方が相続税が少なくなりますが、二次相続では配偶者軽減が使えないので相続税が増えてしまいます。

 配偶者軽減とは、配偶者の取得した財産が法定相続分か1億6千万円のどちらか多い方までなら、配偶者には相続税がかからないというものです。

 相続税基礎控除は、(3000万円+600万円×法定相続人の数)となっています。

 相続税の税率は、課税相続財産が1000万円以下の場合は10%、3000万円以下の場合は(15%-50万円)となっています。

 

具体例で相続税を計算してみましょう。

 ご主人が6000万円の財産を所有しており、奥様が4000万円の財産を所有しており、子供が二人いる家庭で先にご主人が亡くなられたと仮定します。

 相続税基礎控除額は、3000万円+600万円×3=4800万円ですから、課税相続財産は1200万円(6000万円-4800万円)となり、一次相続で確定申告をする義務があります。

(1)一次相続で奥様が全額を相続すると、配偶者軽減額以内ですから相続税はかかりません。

 その後、奥様が亡くなられて二次相続が発生すると、奥様の財産1億円(4000万円+6000万円)を子供が相続することになりますから、5800万円{1億円-基礎控除額(3000万円+600万円×2=4200万円)=5800万円}が課税相続財産となり、相続税額は2人合計で770万円となります。

・税額は(2900万円×15%-50万円)×2(2人)=770万円

一次相続と二次相続の相続税の総額は770万円(0+770万円)となります。

(2)一次相続で奥様が3000万円を相続し子供が3000万円を相続すると、奥様は非課税ですが、相続課税財産は600万円(1200万円÷2)となり、子供の相続税額は合計で60万円となります。

 その後、奥様が亡くなられて二次相続が発生すると、奥様の財産7000万円(4000万円+3000万円)を子供が相続することになりますから、2800万円{7000万円-基礎控除額(3000万円+600万円×2=4200万円)=2800万円}が課税相続財産となり、相続税額は2人合計で320万円となります。

 ・税額は(1400万円×15%-50万円)×2(2人)=320万円

一次相続と二次相続の相続税の総額は380万円(60万円+320万円)となります。

(3)一次相続で奥様は相続せず、全額を子供が相続すると相続課税財産は1200万円となり、子供の相続税額は合計で120万円となります。

 その後、奥様が亡くなられて二次相続が発生すると、奥様の財産は4000万円で基礎控除額以内ですから、相続税は非課税となります。

一次相続と二次相続の相続税の総額は120万円(120万円+0)となります。

 

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我が家の近くにあり、よく散歩している津のお城公園です

 

 

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