三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

フランスの恋愛事情

 フランスにおける恋愛の基本形は、宮廷文化から始まっているようです。「結婚は一度きり、離婚は認めない。」とするキリスト教(中でも特に厳格なカトリック派)の倫理の影響もあって、その代わりにこの時代の「恋愛」は自由であり、この文化をリードしたのが貴族女性であったようです。

 宮廷において、恋愛は日常茶飯事であり公認されていました。この宮廷文化をリードしていたのが、既婚の貴婦人たちです。彼女たちは地方の領地に夫を残して、宮廷近くに住み、夫以外の貴族男性と恋に落ちました。

 この恋愛がフランスにおける恋愛観の原型です。それは、「不倫」であり、結婚とは相入れないものでした。当時の結婚といえば、封建制の下で家と財産を継承するための取り決めであり、自分で自由に決められることではなかったのです。

 1970年代に、女性の自由を獲得するためのウーマンリブ運動がフランス各地で起こり、それ以降、「結婚は一生に一度きりである」という考えよりも、愛も性も本来自由なものであり、愛が冷めれば別れるのは当然なことで、愛し合っていないふたりがいっしょに暮らし続けるのはむしろモラルに反する、というような考えに変わってきているようです。

 「本当にこの人と結婚してうまくいくのか、いくら考えてもわかるはずがないから、まず、一緒に暮らしてみる」という発想から、共同生活が始まるようです。それがうまくいけば出産、それをきっかけに結婚という運びになり、現在では、共同生活をせずに結婚する夫婦の割合は4割程度しかいないそうです。

 現在のフランスにおける新生児の約50%は法的に結婚していないカップルの子どもになります。

 また、フランスでは、現在、夫婦の3組に1組以上(パリでは2組に1組ぐらい)が離婚しています。

 自由婚カップルには、日本の“内縁”のイメージはなく、お互いの自由の尊重の上に愛し合っているので一緒に暮らしているというかたちなので、これは個人の問題なのです。つまり、男性も女性も、それぞれ個人として尊重するのが恋愛の基本なのです。また、自由婚カップルが日本の「同棲」と異なるのは、法的には結婚とほぼ変わりない権利が与えられている点です。例えば、自由婚カップルであっても被扶養者ならば婚姻の配偶者と同じように、相手の疾病・出産保険の適用が受けられ、家族給付も認められています。また、両親の婚姻関係の有無によって子供が差別を受けることはなくなっているのです。

 かつての絶対的な法であった結婚制度は少なくなり、お互いの意思を尊重しての自由婚カップル形態が生まれ続けています。

 

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