三重の法務労務コンサルタント

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生活保護について

 憲法第25条に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されており、生活保護制度は、憲法のこの理念に基づいて、生活に困窮している国民に対して、最低生活の保障とともに自立の助長を図るという制度です。

 

生活保護を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

1) 生活保護保有を認められる資産以外の資産は処分して生活費に充てる。

2) 働くことが可能な方は、能力に応じて働く。

3) 親族等から援助を受けられる場合は援助を受ける。

 以上の要件を満たした上で、世帯の収入が生活保護基準で定める額に満たない場合に、生活保護が適用されるということになります。

 生活保護制度から受けられる給付として、必要に応じて生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、出産扶助、介護扶助、生業扶助、葬祭扶助という8種類の費用扶助があります。

 費用扶助の基準になるのは、住んでいる市町村です。全国の市町村を6つのグループに分類し、物価差などを反映してそれぞれの基準額を設定しています。

 

 生活扶助は、収入が生活扶助基準より低い場合に、生活扶助基準から収入を差し引いた差額が支給されます。生活扶助基準の額は、地域や年齢や世帯の人員により異なります。

 生活扶助基準には、生活扶助基準第1類(飲食費や被服費)と、生活扶助基準第2類(光熱費や家具費など)と、生活扶助の加算(障害者加算や母子家庭加算など)があります。

 

生活扶助基準の具体例(1級地-1の場合)

1) 60歳の単身世帯

    36,100(生活扶助基準第1類)+43,430(生活扶助基準第2類)=79,530円

2) 夫40歳、妻35歳、子供10歳の3人世帯

    40,270(第1類の夫分)+40,270(第1類の妻分)+34,070(第1類の子供分)+53,290(第2類の3人分)+13,000(児童養育加算)=180,900円

 

・ 教育扶助は、義務教育を受けるのに必要な扶助で、原則として金銭で支給されます。

・ 住宅扶助は、アパート等の家賃補助のことで、地域や世帯の人員により基準額が異なりますが、定められた範囲内で実費を支給されます。

・ 医療扶助と介護扶助は、医療費や介護費が直接医療機関等へ支払われ、本人負担はなくなります。

・ 出産扶助は出産費用で、定額内で実費が支給されます。

・ 生業扶助は自立に必要な教育費や訓練費で、定額内で実費が支給されます。

・ 葬祭扶助は葬祭費用で、定額内で実費が支給されます。

 

※ 最低賃金、老齢年金との比較例

・ 時間給800円で1日8時間、1ヶ月20日勤務した場合の給与月額=800×8×20=128,000円

・ 老齢基礎年金(国民年金)の平均年金月額=約6万円

・ 厚生年金の平均年金月額=約17万円

 

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