三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

交通事故の損害賠償

 以前、私の知人が、8月下旬の夜の8時ごろに、仕事が終わり会社から自宅へ帰る途中、交差点で信号待ちをしていた時に、後ろから来た居眠り運転をしていたらしい30代男性の車に追突されました。

 本人は、バックミラーを見ていて、一瞬危ないと思って身体を身構えたらしいので怪我はせずに済んだのですが、車の後方は大分傷つきました。

 すぐに警察に電話をして事故処理をしてもらい、相手方に100%の責任がある物損事故として処理され、保険会社にも連絡したのですが、その場では、相手の加害者から全額弁償するので車は修理会社へ出して下さい、念のために医者で身体の診断も受けてくださいと言われたそうです。

 数日後に、加害者から車の任意保険に入っていなかったから、病院の診断費用や車の修理代は私が現金で支払いますという電話がかかってきて、その時には、車の修理費用は車が修理会社から引き渡されるときにその加害者が立ち会って支払いますと言われたそうです。

 その後、車の引き渡し日が決まったので、加害者に連絡をすると、仕事が忙しくていけないので銀行から振り込みますと言われたので、修理会社から加害者外宛に修理代の請求書を送ってもらったようです。

 ところが2か月ぐらい経っても、加害者が支払をしないので、何度か加害者に電話をしたのですがその都度いろいろと言い訳をしていて、そのうち電話にも出なくなったようです。

 10月の初旬になり、加害者に内容証明郵便で、再度、車の修理代(15万円ほど)と病院の診察代(3千円ほど)を支払うように請求し、もし支払いがない場合には法的手段を取るという内容の書類を送りました。

 それから、また1か月以上たっても加害者から何も連絡がないため、内容証明で通知したとおりに、裁判所に損害賠償の少額訴訟を起こすことにしました。

 少額訴訟の手続きはそんなに難しくはないのと、弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば費用が高くつくので、私が代理人になって、11月に訴状を簡易裁判所に提出しましたが、裁判所に支払った訴訟費用は合計で6千円ほどでした。

 翌年の1月に、裁判がありましたが、その時の出席者は裁判官と書記官と原告側(被害者側)の私の3人だけで、被告側(加害者側)は欠席でしたので欠席裁判となり、裁判官と私が10分ほど事実確認などのやり取りをし、それを書記官が筆記した後(実際には後で確認できるよう、テープレコーダーを回していましたが)、すぐにその場で裁判官が判決を出しました。

 判決文は、1.被告は原告に対し、損害賠償額及び5%の利息を支払え、2.訴訟費用は被告の負担とする、3.この判決は仮に執行することができる、というような内容です。

 判決が出ても、被告からは何も連絡がなかったので、一度被告の自宅に行ってみました。

 その時、被告の車が近くの駐車場にあり、家の中でテレビの音が聞こえていたので被告も家の中にいると思い、何度か玄関で呼んでみたのですが、犬が吠えるだけで、誰も出てきませんでした。

 その後、被告に電話をしてみましたが、この電話は使われておりませんというアナウンスが流れていました。

 判決が出ても、被告が支払わない場合には裁判所に強制執行(差し押さえ)を申し立てることができます。

 しかし、差し押さえをする財産の種類によって、強制執行の手続きは異なります。債権執行、不動産執行、動産執行の3つに分かれ、費用も異なりますが、差し押さえる財産がないと、手続き自体が無駄になってしまいます。

 債権執行をするためには、裁判所に手数料として7,000円ほどを納めなければなりません。

 動産執行をする場合には、執行官の実行費用としてさらに3~5万円ほどを納めなければなりません。

 一般的に個人の場合、債権執行としての給与を差し押さえるのが一番効果的なようです。

 給与であれば債務者(加害者)の勤務先さえわかっていれば簡単に差し押さえることが可能です。

 動産執行とは、私物として債務者が所持しているものが対象になります。

 個人を対象とする場合、債務者の自宅にある現金、骨董品、ダイヤ、貴金属など換金価値のある動産が対象になりますが、動産の中でも債務者の必要最低限の暮らしを営むために必要な衣類や家具などは差し押さえることができません。

 今回の件で勉強になったことは、自動事故で被害者になるという経験をすることは実際にはそんなにないと思うのですが、もしも、そうなった場合には、事故の当日に、念のために加害者の勤務先を聞いておく方がいいですね。

 事故後すぐでしたら警察官もいますし、悪質な加害者でも動揺していますので、多分、正直に勤務先も教えてもらえると思います。

 加害者の住所、氏名、生年月日、電話番号などは警察の事故証明書に記載されていますが、勤務先は記載されていませんので、後になって、加害者の勤務先を調べようと思っても、個人情報保護法などの関係で勤務先を見つけるのは難しいですね。

 勤務先が分かっていれば、加害者の勤務先に連絡すれば加害者を心理的にも圧迫できますし、給与を差し押さえれば、損害賠償額を加害者に代わり、勤務先から直接回収することができるからです。

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