相続の後は土地売却のチャンス
先祖代々受け継いできた土地を売却すると、親戚や隣近所から非難の目で見られてしまいます。しかし、それが相続後の売却だと「相続税を支払うために土地を売却することになってしまった」と同情の目で見られることになります。さらに、「相続税の申告期限から3年以内に売却した場合には、譲渡税を安くする」という趣旨の特例があります。不謹慎ですが、先祖代々の土地は相続の後が売却のチャンスです。
特例の内容(租税特別措置法39条)
・ 相続により取得した財産を、相続開始があった日の翌日から3年10ヶ月以内(正確には相続税の申告書提出期限の翌日以後3年以内)に売却した場合には、相続税額のうち一定の方法により計算した金額を経費(正確には「取得費」に加算)とすることができます。
譲渡所得の税額
1)長期譲渡所得(所有期間が5年超)の場合
税額=課税所得金額(譲渡益)×20% (所得税15%・住民税5%)
2)短期譲渡所得(所有期間が5年以内)の場合
税額=課税所得金額(譲渡益)×39% (所得税30%・住民税9%)
説例;
① 相続した財産が、A土地、B土地、C土地とあって合計の土地課税評価額が3億円、その他定期預金などが1億円あって、相続財産の合計評価額が4億円で、
② 上記に対する相続税が合計1億円であったとして、(仮定)
③ その後、A土地を売却して譲渡益が8千万円であった場合
(但し、長期譲渡所得として計算した場合)
(1)3年10ヶ月以内に売却した場合
=1億円×3億円÷4億円=7,500万円
所得税・住民税=(8,000万円-7,500万円)×20%=100万円
(2)3年10ヶ月経過後に売却した場合
所得税・住民税=8,000万円×20%=1,600万円