戸籍と住民票を混同して考えている人がいますが、戸籍と住民票は全く別のものです。
戸籍とは、国民が出生してから死亡するまでの身分関係を記録・公証するものです。戸籍には、本籍、筆頭者氏名、各人の氏名・生年月日、父母の氏名および続柄、出生、養子縁組、婚姻、離婚、その他の身分関係の変動に関する事項が記載されています。(住所は記載されていません)
戸籍は、本籍地の市区町村役場で作成・保管されています。本籍地を移すことを転籍といいますが、転籍をすると、新本籍地の役所で戸籍が作成・保管されることになります。
一つの夫婦および未婚の子をもって一つの戸籍が作成されており、祖父母と孫など3世代が同一の戸籍に記載されることはありません。
子は婚姻をすると、親の戸籍から抜けて夫婦で新しい戸籍を作ります。今の日本は夫婦別姓ではありませんから、婚姻するときに夫の姓か妻の姓かどちらかを選ばなければなりません。夫の姓を選べば夫が戸籍の筆頭者、妻の姓を選べば妻が戸籍の筆頭者になります。夫婦どちらの姓を選ぶかは全く自由なのですが、現状では90%以上の夫婦が夫の姓を選んでいるようです。
住民票とは、住民の居住関係を記録・公証するものです。住民票には、氏名、生年月日、性別、住所、世帯主の氏名と続柄、本籍、住民となった年月日などが記載されています。
住民票(住民基本台帳)は、住所地の市区町村役場で作成・保管されています。
住民票は一つの世帯ごとに編成されています。世帯とは、「居住と生計を共にする社会生活上の単位である」とされており、夫婦でも別居していれば別世帯になりますし、他人でも一緒に住んで生計を共にしていれば同じ世帯になります。
同じ1軒の家に住んでいるから全員が同じ世帯になるとは限りません。生計が別なら別世帯として登録することもできます。
戸籍の筆頭者と住民票の世帯主も意味が全く違います。戸籍の筆頭者とは、戸籍の最初に記載されている人のことです。住民票の世帯主とは、居住と生計を共にする世帯を構成する者のうち、その世帯を代表する人のことです。