三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

日本人の宗教観

 私の小・中学校時代の頃の話ですが、我が家は祖母と両親と兄弟4人の7人家族の家庭でした。

 当時、我が家には近所の家と同じように大きな仏壇と神棚があり、かまど(炊事場)にも小さな神棚があったのですが、毎晩ご飯が炊けるとまず我々が夕食を食べる前に、祖母がそこに新しいご飯とお茶をあげて、ろうそくに火をつけて神様や仏様やご先祖様にお参りをしていました。

 私の祖母は心の優しい人だったようで、仏教の影響もあったのか動物は可哀想だから殺して食べてはいけないと思っていたようで、魚は食べても肉は絶対に食べなかったようでした。

 祖母はよくお墓にも線香と花を持ってお参りに行っていましたので、かなり熱心な仏教徒で、同時に神道儒教の教えも守っている人だったのだろうと思います。

 日本の仏教は先祖を供養したり崇拝したりしますが、これは本来の仏教の教えではなく儒教の教えのようです。

 私の父は祖母とは反対に無神論の合理主義者だったようですが、祖母の気持ちを大事にして週一回ぐらいは家族全員を仏壇の前に座らせてお経をあげて祖母を喜ばせていたようでしたが、子供達にはもしわしが死ねば本当は葬式などはしなくてもいいのだが、そうすれば近所の人などから変わり者だと言われて世間付き合いに支障がでるので、簡単に形式的にだけでもする方がいいだろうと言っていました。

 私も父の影響を受けたのか、ほぼ無神論者になったようで、大人になっても神や仏や天国や地獄や霊魂などの存在は全然信じられず、お寺や神社に行っても建物や仏像などを見学するだけで、手を合わせてお参りをするというようなことはあまりありません。

 以前聞いた話ですが、海外の人、特に欧米人などからあなたの宗教はなにですかと聞かれたら、今の日本人のうち多分半数ぐらいの人は自分は無宗教ですと答えるそうですが、欧米人などはマルクス主義者以外に無宗教の人はこの世にほとんどいないと思っているようなので、日本人のこの答え方にはとても驚くようです。

 世界には多種多様な無数の宗教が存在しており、特にキリスト教イスラム教と仏教は世界の3大宗教と言われて国家や民族の枠組みを超えて世界に広がっていますが、そのほかに代表的な民族宗教としてユダヤ教ヒンズー教神道などがあり、宗教ではなく道徳だとも言われているようですが儒教も中国・韓国・日本に大きく広がっています。

 ユダヤ教キリスト教イスラム教は一神教で、キリスト教イスラム教はユダヤ教から派生した宗教なので、それぞれの神は呼び名が違うだけで中身は同じですから、これら3つの宗教は兄弟ともいえるのですが、それぞれ信者の信仰心が強いからか他の宗教や宗派に対し排他的で、激しい宗教紛争が絶えないようです。

 日本では、仏教は外来の宗教ですが神という概念はなく、神道は日本独自の宗教で自然宗教でもあり、あらゆる自然には神が宿るということで八百万の神がいると言われているように多神教です。

 ほとんどの日本人は、12月24日にクリスマス・イブを祝い(キリスト教)、大みそかには除夜の鐘を聞きながら年を越し(仏教)、お正月は神社へ初詣に行き(神道)、結婚式はほとんど神前か教会で行い(神道キリスト教)、子供が生まれたら神社へお宮参りに行き(神道)、亡くなったら仏教の形式で葬式をします。

 多くの日本人は、無宗教というよりも仏教、神道儒教などの教えを混在して取り入れており、日常生活で特定の宗教をあまり強く意識しておらず、欧米人やアラブ人などのように自分が信ずる唯一の神はなく、特定の宗教を特に強く信じているわけではないので、他の宗教や宗派に対しても寛容でさほど排他的でもなく、海外の一部地域で起きているような激しい宗教紛争を起こすこともないのだろうと思います。

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       伊勢二見浦の夫婦岩

 

 

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