- 株式の配当と税金
株式の配当は、支払いの際に税金が源泉徴収されており、原則として、総合課税として確定申告をして税金を精算します。上場株式の配当については、総合課税によらず、申告分離課税を選択することもできます。
- 上場株式の配当の場合
上場株式の配当にかかる税率は原則20%(所得税15%、地方税5%)で源泉徴収されます。
配当所得は、原則として総合課税または分離課税として確定申告の対象とされていますが、特例として、確定申告不要制度が採られています。
確定申告不要制度を選択した場合には、配当金額の大小にかかわらず確定申告をせずに、配当受け取り時の源泉徴収で課税を完了させることができます。
総合課税とは、給与などの他の所得と配当所得とを合計して税額を計算するというもので、確定申告で、配当受け取り時に源泉徴収された税金を精算します。総合課税として確定申告する場合には配当控除の適用があり、配当所得に対して一定率税額が軽減されます。
確定申告が不要とされている場合でも、年間課税所得金額が330万円以下の人は、総合課税で確定申告をした方が税金が少なくなります。
分離課税とは、配当所得を他の所得とは合算せずに分離して税額を計算するというものです。
- 未上場株式の配当の場合
未上場株式の配当は、支払いの際に所得税(地方税なし)20%が源泉徴収されており、総合課税として確定申告をしますが、配当控除の適用があります。
ただし、少額配当(1銘柄年1回配当の場合、10万円以下)については、所得税については確定申告をしないこともできます。ただし、所得税については確定申告が不要でも地方税については確定申告が必要なのですが、実際にはほとんどの人がそこまで細かいことは知らないので確定申告をしておらず、市役所も気づいていない(分からない)場合が多いようです。
- 株式の売却と税金
株式を売却して得た利益に対しては所得税と地方税がかかります。他の所得と区分して税金を計算する申告分離課税で、原則として確定申告が必要です。
- 上場株式の売却の場合
上場株式の売却益にかかる税率は原則20%(所得税15%、地方税5%)です。
また、特定口座制度(証券会社が譲渡損益を計算するという制度)が設けられており、この特定口座については源泉徴収口座か簡易申告口座かを選択することになります。源泉徴収口座を選択した場合には、原則として確定申告をする必要がありません。ただし、他の口座での譲渡損益と相殺する場合、配当所得と損益通算する場合、及び、譲渡損失の繰越控除の適用を受けて上場株式の売却損を翌年以降に繰越す場合には、確定申告をする必要があります。
- 未上場株式の売却の場合
未上場株式の売却益については、申告分離課税で、税率は20%(所得税15%、地方税5%)となります。同一年に生じた未上場株式の売却損や上場株式の売却損がある場合には、売却損益の相殺ができます。配当所得との損益通算制度や翌年以降に売却損を繰越す制度は、上場株式についてだけ認められている制度であり、未上場株式の売却損には適用されません。