三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

部下を叱る基本は「かりてきたねこ」

ライフバランスマネジメント研究所代表の渡辺卓氏が、雑誌に、「パワハラ」にならない叱り方として、「かりてきたねこ」の原則を紹介していました。

部下を叱るときは、「かりてきたねこ」の心得で、叱るべきだそうです。

「か」感情的にならない

「り」理由を話す

「て」手短に叱る

「き」キャラクター(人格)に触れない

「た」他人と比較しない

「ね」根に持たない

「こ」個別に叱る

か「感情的にならない」

 「怒ると叱る」は違います。「怒る」とは感情が爆発し、アン・コントローラブルな状態です。一方、「叱る」は理性が働いている状態です。叱る前から、自分に感情の波立ちを感じるなら、時間差をおくべきです。午後に叱るのを伸ばしたら、叱らずに済んだ経験は管理職ならだれにでもあるそうです。アルコールの勢いを利用して叱る上司は、アルコールハラスメントにもつながる最低の叱り方です。

り「理由を話す」

 なぜ叱るのか理由を説明しないと、自己愛の強い部下からは「八つ当たり」、「嫌われている」などと誤解されるリスクがあります。日本の以心伝心はグローバル時代には通じません。部下からのホウレンソウ(報告・連絡・相談)を求めるより先に、上司からの懇切丁寧なフィードバックが忙しい職場でこそ必要なのです。

て「手短に叱る」

 日ごろのコミュニケーションがよければ、部下を叱る時間が長引くことはありません。くどく叱る上司、ぶり返して後日にも叱る上司はその自覚がないことが多く、特に注意が必要です。

き「キャラクターに触れない」

 部下の性格や人格に言及する叱り方は要注意です。いまどきの若手の部下は自尊心が高く、心理が繊細であることを肝に銘じてください。「口が悪い」ことを自認する上司も若手部下には「ハラスメント」と映ることもあります。

た「他人と比較しない」

 「自己愛、依存心の強い性格」の若手が鬱の状態になると自己肯定感が低下し、同僚との比較はショックを与えます。上司は部下の前では同僚間の「比較」という物差しは見せないようにします。熊本藩祖で人心掌握に長けた加藤清正は、「よその若者を誉めることはうちの若者をけなすことだ」との忠告を家臣たちに残しています。

ね「根に持たない」

 部下のミスを上司がいつまでも根に持たず、叱った場合の雰囲気も翌日には持ちこさないのが原則です。叱りの達人と言われた本田宗一郎氏は、烈火のごとく部下を叱り、しかし翌朝には何事もなかったかのように当人に接したといいます。

こ「個別に叱る」

 同僚や取引先の見ている前で叱ると、若手部下のプライドを傷つけます。叱るときは別室などでプライバシーを守り、部下の自尊心を尊重します。

慣れない、自信のない上司ほど、感情むき出しで叱る傾向があるように思います。「転ばぬ先の杖」、「叱らぬ先の杖」として、この「かりてきたねこ」を活用してはいかがでしょうか。

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