三重の法務労務コンサルタント

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公的年金の税金

 年金には、公的年金国民年金、厚生年金、共済年金など)と私的年金企業年金個人年金など)とがあります。

公的年金には、老齢年金、障害年金、遺族年金と3つの種類がありますが、このうち障害年金と遺族年金は非課税となります。

老齢年金は雑所得として課税されるのですが、所得税は給料と同様に、年金から天引き(源泉徴収)されることになります。

いくら天引きされるかですが、これも給料と同様に、社会保険庁に対して「扶養控除等申告書」を提出しているかどうかで変わります。

申告書を提出している場合には、天引きされる所得税の額は

(年金支給額-介護保険料-各種控除額)×5%

となります。

申告書を提出していない場合には、天引きされる所得税の額は

(年金支給額-介護保険料)×7.5%

となります。

備考

  • 65歳以上の人は、原則として、年金から介護保険料が天引きされます。
  • 各種控除額とは、基礎控除配偶者控除、扶養控除、障害者控除のことです。

住民税は、前年の所得に基づいて計算され、税額が発生すれば6月に納税通知書が送付されてくるのですが、65歳以上の人は原則として年金から天引きされ、65歳未満の人は自分で金融機関の窓口で納付することになります。

給料は、年末調整によって1年間の税金の過不足を調整しますので、原則として確定申告をしませんが、年金は、年末調整をしませんので、所得税を天引きされている場合には原則として自分で確定申告をすることになります。

ただし、一箇所からもらっている年金以外に所得がない場合には確定申告をしなくてもあまり問題はないし(税務署からも指摘されない)、実際に多くの人が確定申告をしていないと思うのですが、社会保険料や生命保険料を支払っている場合には、確定申告をすることによって税金を還付してもらえます。

サラリーマンなどで、定年退職後も嘱託などとして継続勤務をし、給与以外に在職老齢年金をもらっている場合には、給与については年末調整をしていますので、年金所得が20万円以下(年金収入が、65歳未満の場合は90万円以下、65歳以上の場合は140万円以下)の場合には、確定申告をしなくてもよいとされています。(ただし、年末調整をした給与以外に所得があっても、それが20万円以下の場合には確定申告をしなくてもよいというのは所得税だけのことで、住民税については確定申告をしなければいけないのですが、国税庁のパンフレットなどにも住民税は管轄外のためかそこまで詳しくは記載されていないので、給与以外に20万円以下の所得があっても、実際にはほとんどの人が住民税の確定申告はしていないだろうと思います。)

公的年金については、年金の収入金額から下記の公的年金等控除額を差し引いた金額が雑所得となります。

公的年金等控除額は、次の算式で計算します。

(65歳未満の人)

 公的年金等の収入金額

 公的年金等控除額

 130万円未満

 70万円

 130万円以上 410万円未満

 収入金額×25%+37万5千円

 410万円以上 770万円未満

 収入金額×15%+78万5千円

 770万円以上

 収入金額×5%+155万5千円

(65歳以上の人)

 公的年金等の収入金額

 公的年金等控除額

 330万円未満

 120万円

 330万円以上 410万円未満

 収入金額×25%+37万5千円

 410万円以上 770万円未満

 収入金額×15%+78万5千円

 770万円以上

 収入金額×5%+155万5千円

年金以外に所得のない場合は、別に基礎控除38万円を加算できますので、単身者でも65歳未満の人は108万円、65歳以上の人は158万円までの年金については、所得税はかからないことになります。

なお、私的年金については、年金の収入金額から必要経費(払込保険料など)を差し引いた金額が雑所得となります。

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