三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

病院の差額ベッド代

仕事中に手を負傷し病院へ20日間ほど入院されてすでに退院された方から、労災保険の治療費は健康保険のように自己負担額はなく全額給付されるので、個室でも自己負担はないと思っていたら、病院から個室の部屋代は保険がきかないといわれて、1日当たり15,000円の差額ベッド代を請求されて困っているという相談を受けたことがあります。

 当初に相談を受けていれば別ですが、退院されてから相談を受けても役に立てないのですが、基本的に、労災でも健康保険でも差額ベッド代は保険の対象になりませんし、高額療養費の払い戻しや確定申告での医療費控除の対象にもなりません。

 大部屋の場合にはベッド代は入院費に含まれるのですが、個室などの差額ベッド代は、保険で支払われる入院費とは別に患者さんが全額負担することになっています。

 差額ベッド室とは個室だけではなく、次の要件に当てはまれば2人部屋、3人部屋、4人部屋でも該当します。

  • 1病室4床以下であること
  • 病室の面積が1人当たり6.4平方メートル以上であること
  • 病床のプライバシーを確保するための設備があること
  • 個人用の私物収納設備、個人用の照明、小机、椅子を設置していること

 ただし、病院は院内の見やすい場所に各差額ベッド室のベッド数および料金を掲示し、かつ、差額ベッド室に入院を希望する患者さんに設備や料金などを説明して患者さんの同意を得なければなりません。

次の場合には、病院は患者さんに差額ベッド代を請求できないことになっています。

1. 患者さんから同意書による同意の確認をとっていない場合

2. 救急や手術後や病状が重篤な場合など、治療上の必要から差額ベッド室に入院した場合

3. 患者さんの選択によらず、病棟管理の必要性から差額ベッド室に入院させた場合

 つまり、患者さんの自由な意思による同意がない場合は、請求できないということです。

 

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