三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

日本の風呂

日本人はお風呂好きだといわれていますが、歴史では、日本のお風呂は6世紀に仏教とともに中国から伝えられたものだといわれています。

仏教では「お風呂に入ることは七病を除き、七福が得られる」と説かれ、寺院では業の一つとして「体を洗い清める」ために浴堂が備えられ、浴堂のない庶民にも開放されたため、お風呂に入るという習慣が始まったとされています。

当時の入浴はお湯につかるのではなく、薬草などを入れた湯を沸かし、その蒸気を浴堂内に取り込んだ蒸し風呂様式だったそうです。

平安時代になると、上級の公家が屋敷内に蒸し風呂様式の浴堂の施設を作るようになり、次第に宗教的な意味が薄れ、衛生面や遊興面での色彩が強くなります。

浴槽にお湯を張り、そこに体をつかるというスタイルが普及したのは江戸時代に入ってからのようです。

江戸時代になると町で銭湯が大衆化し、庶民の憩いの場となったようですが、銭湯は蒸し風呂の混浴で、男湯と女湯の区別はなかったようです。

江戸時代の末期に黒舟で来航したペリーなどの欧米人が、人前で裸になり、男女混浴で入浴する日本の風習に驚き、野蛮な民族だと非難されたので、明治になって新政府が男女混浴を禁止したようです。

ペリーの日本遠征記には、「男も女も赤裸々な裸体をなんとも思わず、互いに入り乱れて混浴しているのを見ると、この町の住民の道徳心に疑いを挟まざるを得ない。確かに淫蕩な人民である。」と記されているそうです。

明治新政府は、欧米への体裁を気にし、明治元年から何度も男女混浴を禁止する通達を出していますがなかなか改まらず、完全に混浴がなくなったのは明治の末期になったようです。

深い湯船にお湯を一杯入れて肩までつかるという風呂のある国は日本と韓国だけのようで、他の国ではシャワーや浅いバスタブの風呂しかないようです。

私は、30年ほど前に始めて欧米式の風呂に入ったときに、日本の風呂と違い洗い場がないことを知らずに、バスタブの外のトイレがあるところでかけ湯をして入り、少し様子が違うのに気づいて体は洗わずに出たのですが、後で、体を洗うのもシャンプーをするのも全てバスタブの中でするということを知って、少し恥ずかしい思いをしました。多分、欧米人が何も知らずに日本の風呂に入ったら、かけ湯をせずに浴槽に入り、浴槽の中で石鹸で体を洗い、シャンプーをして泡だらけの浴槽にするだろうと思いました。

日本では親が小さい子供と一緒に風呂に入りますが、欧米では親子でも一緒に風呂に入るのは非常識な行為となるようで、特に父親と娘の場合は性的虐待が強く疑われるようです。

外務省の海外安全ホームページを見ると、海外で娘さんが学校の作文に「お父さんとお風呂に入るのが楽しみです」と書いたところ、学校から警察に通報されて父親が逮捕された事例や、家族で撮った写真を現像に出したところ、子供が入浴している写真があったということで、警察に通報され事情聴取をされたというような事例が載っています。

海外では、日本とは違ういろいろな習慣があり、日本では問題にならないようなことが海外では重大なトラブルになることもあるようです。

 

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