三重の法務労務コンサルタント

仕事(人事労務、海外人事、税務、法務など)で学んだことや、趣味(歴史や旅行など)で感じたことなどを記載します

働く意欲について

      給料がアップすれば、やる気は起こるのか?

労働意欲は、何をもってアップするのでしょうか?

給料がアップすることでしょうか?それとも、福利厚生の充実でしょうか?

ここで、従業員の労働意欲について調査した、ある有名な実験を紹介しましょう。1920年代にメイヨーが行った「ホーソン実験」と呼ばれるものです。

当時、3万人近くの従業員を抱えていたウエスタン・エレクトリック社(米)のホーソン工場では、従業員の不満が多いことに頭を抱えていました。「他社に比べて、給料や福利厚生も充実しているのに、どうしてだろう」と悩み、メイヨーに調査を依頼したのです。

まず、作業環境や労働条件を改善してみたのですが、はっきりした効果はあらわれませんでした。そこで、従業員の心に目を向けてみたところ、明らかな変化が認められました。従業員の悩みに耳を傾け、人間関係が改善されるように調整するなどして、意欲が高められるように取り組んでみたのです。すると、労働意欲は格段にアップして、生産性向上に結びつくことができました。

この実験からも、給料のアップや福利厚生の充実が、必ずしも労働意欲を高める決定的な要因ではない、ということがよく分かります。

いくら給料がアップしても、セクハラやパワハラに耐えなければならない職場だったらどうでしょう?達成した仕事を、誰も評価してくれないような職場だったらどうでしょう?やはり、無力感が募り、働く気が萎えてしまうのではないかと思います。

働く意欲を起こすには、まず職場が変わってくれることがいちばんです。それには、上司や経営者が従業員の心に目を向けなければなりません。

でも、現実にはそんな「話の分かる」会社にめぐり合えることなんて、めったにありません。そこで、働く人は自分自身のモチベーションを、常に確認することが必要になります。そのために、自分に問いかけるのはこのひとつ。

「この仕事によって、何を得ようとしているのか」ということです。

どんな劣悪な職場でも、しかし、目の前の仕事に取り組むことによって得られる成果は、必ずあるはずです。

その成果は、小さなことでもかまいません。たとえば、「資料作成の手順を工夫したら、時間短縮に結びついた」など、どんなことでもいいのです。アイデア次第で、自分なりの仕事の工夫は生まれていくと思います。そして、これが自信へとつながっていきます。

常に、「やらされている」と思うのではなく、仕事に積極的に「自分独自の何か」を盛り込んでいこうとする態度が大切です。

しかし、最初から高い目標を掲げて「あれを達成しなければ」とがんばるのは、あまり効率的ではありません。大きな目標に近づくためには、小さなステップをいくつか設けて、ひとつひとつクリアしていくといいのです。

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